【司法書士が解説】遺産分割協議書の作り方 連絡が取れない相続人がいる場合は? | 【公式】小田原相続遺言相談室(運営:守屋司法書士事務所)

【司法書士が解説】遺産分割協議書の作り方 連絡が取れない相続人がいる場合は?

遺産分割協議書の作成は、相続手続きを進める上で非常に重要です。しかし、相続人全員と連絡を取ることができない場合、手続きが複雑化することがあります。

では、連絡が取れない相続人がいる場合、どのような手続きを踏めば良いのでしょうか?

連絡が取れない相続人がいる場合の手続きの流れ

  1. 音信不通の連絡がつかない相続人がいる場合の必要な手続きはこのような流れで行います。
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  3. ①相続人の住所や連絡先の確認 住民票や戸籍を取得し、相続人の現住所を確認します。
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  5. ②不在者財産管理人の選任 相続人の所在が不明で連絡がつかない場合、家庭裁判所に不在者財産管理人を申し立てます。
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  7. ③相続放棄の確認 相続人がすでに相続を放棄しているかどうかを確認し、相続放棄が行われていれば、その相続人を除いて協議を進めます。
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  9. ④遺産分割調停の申し立て 調停を通じて解決できるよう、家庭裁判所に申し立てを行います。

次に、それぞれのステップを詳細に解説していきます。

①相続人の住所や連絡先の確認

まず、遺産分割協議書を作成するには全ての相続人が協議に参加する必要があります。そのため、連絡が取れない相続人の住所や連絡先を確認することが最初のステップです。
最近ではSNSやインターネット検索などのデジタル手段で相続人の所在を確認するケースもあります。

  • 住民票や戸籍の取得 

    相続人の住民票や戸籍を取得することで、最新の住所を確認できます。この手続きは相続人が死亡した時点での住所がわかっている場合に有効です。

  • 郵送での通知 

    住所が確認できた場合、手紙をおくります。
    内容証明郵便を使って正式な通知を送り、相続協議に参加してもらうよう依頼します。

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  • これらの方法で連絡が取れない場合には、さらに法的手続きを検討する必要があります。
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②不在者財産管理人の選任

相続人の所在が不明な場合や連絡が取れない場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる必要があります。
不在者財産管理人は、行方不明の相続人の代わりに遺産分割協議に参加し、署名押印を行います。

  • 家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる際には、申立書の作成が必要になります。この書類には、相続人の所在が不明であることや、財産の状況を記載します。
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  • 申立書を家庭裁判所に提出したら家庭裁判所の方で審査を行い、適切な管理人を選任します。選任された管理人が代理で協議に参加し、必要な手続きを進めます。

不在者財産管理人の選任や申立書の作成について不安がある方は専門家に一度相談することをおすすめいたします。

③相続人が相続放棄しているか確認

相続人がすでに相続放棄をしている場合、その相続人は遺産分割協議に参加する必要はありません。相続放棄が行われた場合、該当の相続人を除いた形で協議を進めることができます。

  • 相続放棄の手続きが行われているかどうかは、家庭裁判所に照会することで確認できます。相続放棄が確定していれば、その相続人は法的に相続権を失っています。
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④遺産分割調停の申し立て

相続人の間で意見が一致せず、協議が難航する場合や、連絡が取れない相続人がいて協議が進まない場合は、
家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることが可能です。
調停では、裁判官や調停委員が間に入り、相続人全員の意見を調整してくれます。

  • 遺産分割調停を申し立てる際には、遺産分割調停の申立書を家庭裁判所に提出します。この書類には、相続財産の内容や相続人の情報、意見の相違点を記載します。
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  • 申立書を提出すると家庭裁判所が調停の場を設け、相続人間での話し合いが進められます。調停が成立すれば、調停調書が作成され、法的に有効な遺産分割協議書となります。

遺産分割協議書の項目ごとの作成方法

遺産分割協議書の主な項目とその記載方法を解説します。

【遺産分割協議書の必要項目】

  • タイトル:書類のタイトルを「遺産分割協議書」とします。
  • 被相続人(亡くなった方):氏名、生年月日、死亡日、最後の住所、最後の本籍の情報を記載。
  • 相続人の記載:全相続人の氏名と住所を記載します。
  • 遺産の詳細:相続人ごとに相続財産の具体的な内容を明記します。例:不動産、預貯金、株式、自動車など。
  • 分割方法の記載:各相続人が取得する財産を具体的に記載します。
  • 署名・押印:相続人全員の署名・実印の押印欄を設けます。
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遺産分割協議書に、決まった形式はありません。手書き・パソコンどちらの作成でもOKです。

各項目の記入のポイント

現預金

ー 預貯金の講座が特定できるようんい口座番号まで記入。

ー 残高は記載しないのが一般的。

不動産(一軒家の場合)

ー 登記事項証明書に記載されている通りに記入する。

ー 所在や地番は省略せず書き写す。

不動産(マンションの場合)

ー 登記事項証明書の通りに「一棟の建物表記」「専有部分の建物の表示」「敷地権の表示」の3つに分けて記載。

不動産(共有部分の場合)

ー 共有持ち分の財産があった場合、その持分割合(例:5分の3)

配偶者移住権

ー 配偶者移住権と所有権を取得する人を明記する。

ー 登記事項証明書に記載されている通りに記入する。配偶者移住権は登記が必要である。

上場株式・出資金等

ー 証券会社からの通知などを参考に正確に記入する。

 

作成時に注意すべきポイント

遺産分割協議書を作成する際には以下のポイントに注意してください。

  • 正確な記載:誤字脱字があると無効となる場合がありますので、慎重に作成しましょう。遺産分割協議書には相続人全員が氏名を自署し実印を押印する必要があります。また、相続人の1人でも欠けていると、その遺産分割協議書は無効になります。
  • また財産の内容も明確である必要があります。押印された印鑑が実印でない場合も遺産分割協議書は無効です。
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  • 相続人全員の同意:一人でも同意しない場合、協議書は無効となります。
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  • 法的要件の確認:法律の変更点や必要な手続きについて確認しましょう。遺産分割協議書は法律で最低限書くべき内容はあるので、専門家に確認してもらって下さい。
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こんな場合は専門家に相談!

相続手続きは、法的な知識が必要であり、特に連絡が取れない相続人がいる場合は対応が複雑です。

不在者財産管理人の選任や調停の申し立ては、正しい知識と平日動ける時間が求められるため、個人で行う場合は、手続きに難航したり結果的にたくさんの時間を割かなければいけなくなったりと、相続を進める上での負担が大きくなってしまうケースが多くみられます。

相続手続きの専門家である司法書士に依頼することで、手続きを最初から最後まで丸ごと代行することができます。
手続きを迅速かつ正確に進めることができ、相続人全員が納得できる形での遺産分割を実現することが可能となります。

平日に時間が取れない人や、相続人関係が複雑な方は一度専門家に相談することをおすすめしております。

当事務所では相続に強い司法書士が無料で、相続のご相談を受け付けております。自身の相続の場合、どのようなことがサポートしてもらえるか相談してみましょう。

無料相談のご案内

当事務所では、無料相談を実施しており、相続手続きに関するあらゆるご相談に応じております。 連絡が取れない相続人や不在者財産管理人の選任、その他の相続に関する複雑な手続きについてお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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