遺産分割の種類
遺産分割を相続人間で行う場合に、遺産分割にはいくつかの種類があります。
以下で遺産分割の種類をそれぞれ説明していきます。
現物分割
遺産分割の方法として、現物分割というものがあります。これは遺産の中の個々の財産をそのままの形で相続人間で分け合う方法です。
例えば、遺産が不動産、預貯金であった場合に不動産は相続人Aに、預貯金は相続人Bに分配するというような場合です。この現物分割が遺産分割の原則的な形です。
代償分割
現物分割が困難な場合もあります。例えば遺産が不動産1個でこれを相続人全員の共有にしたのでは財産価値が下がってしまうような場合です。このような場合に代償分割という方法があります。
代償分割とは、1人又は数人の相続人に法定相続分を超える遺産を現物で取得させ、代わりに法定相続分に満たない遺産しか取得しない相続人に対する債務を負担させる分割方法です。
上記の不動産が1個しかない場合では、不動産を相続人Aに取得させる代わりに、他の相続人B、Cに対して、Aが現金300万円ずつを支払うといった場合です。
換価分割
現物分割が出来ず、かつ代償分割も出来ないケースがあります。例えば、遺産は不動産1個であり、相続人A、B、Cの場合にAが不動産を1人で取得したいけれども、代償分割でB、Cにそれぞれ支払うお金がないような場合です。このような場合には遺産である不動産を売却して、その売却代金を相続人で分配する方法を換価分割といいます。この方法は遺産が不動産しかなく、現物分割も出来ず、代償分割も出来ない場合に利用出来ます。